Kimono 唐草の原点は不思議な縁から始まっています。初代の「権平さん、ヲヒサさん」夫婦が、3つのカードに職業を書いて引いた一枚に書かれていたのが「呉服屋」というカードだったことが始まりなんです。これに縁の不思議さ、一期一会の面白さを感じています。またその中で初代の夫婦がとにかく誠実にやっていくことを教えてくれています。
私の基本的な考えは、会社は継続だけを良しとするものとは思っていません。継続することは大前提で、やはりそこに成長がなければならないと思っています。今までは家業店として100年続いてきましたが、血族が血を絶やすことなく真面目にコツコツと誠実にやってきた結果だと思っています。これからもう100年続けていくには、その誠実なスタンスを変えることなく真面目にやっていくことにプラスして、もっともっと他の「血」を色々な意味で入れながら、アイデアを入れていかなければ成り立たないと思っています。そういうことから、次は「発展する100年」にしたいと思っています。そういった意味のビジョンでいえば最低100億円の企業に日本国内でしていきたい、そこからもっと新しい世界に出て行けるのではないかと思っています。
決してお金儲けが目的であってはいけない、売ることが主導ではない仕組み作りが必要です。着れない着物を無理やり売っていくような商売をするのではなく、着る物を売る、すなわち売った分だけ「着ていただく」というどこの店よりもより「着せる」店になっていき、そこでは負けたくないとも思っています。
「着る」という場の提供も大切ですが、着物を着ない一番に理由は「自分で着れない」という点だと思います。まず着せてあげて、そして自分で着れる様にしてあげることが必要です。最後に着れる機会を沢山創ってあげることが大切になってくる、そんな順番ですね。そういった場の提供は、単なる着物を着るだけのイベントではなく、社員の人生観にも影響を与えてくれます。お客様を喜ばせるだけでなく、人生の大半の中にある仕事というものを楽しんでもらわないと、生きていて半分損しているように思えてしまいます。着物を着て宝塚や顔見世にでかけ、日本の文化に触れることで社員の感受性も豊になりますし、仕事でそんな楽しみが得られ、人生観も高められる職種って珍しいと思います。こういった取組みはどんどんやっていきたいと思っています。その結果社員も、会社も成長させていただける結果が得られれば、きっと発展する100年の目標は達成させていただけると信じています。